Tプロジェクト

雑記ブログです。

アルスラーン戦記【第一章 エクバターナの栄華】ネタバレ感想

登場人物
アルスラーン⇒主人公。パルス国の王太子。11歳。
ヴァフリーズ⇒パルス国の大将軍(エーラーン)。アルスラーンの教育係。
アンドラゴラス⇒パルス国の国王。アルスラーンの父。
タハミーネ⇒パルス国の王妃。アルスラーンの母。
告命天使(スルーシ)、告死天使(アズライール)⇒キシュワードが飼っている鷹。
キシュワード⇒パルス国の万騎長(マルズバーン)。双刀将軍(ターヒール)と呼ばれる。
カーラーン⇒パルス国の万騎長(マルズバーン)。諜報に優れる。
クバード⇒パルス国の万騎長(マルズバーン)。左目に傷がある。酒が好き。
ダリューン⇒パルス国の万騎長(マルズバーン)。ヴァフリーズの甥。

あらすじ
平野の戦場で軍同士が激しい戦いをしている。
やがて戦いは終わり、1羽の鷹が空に向かって飛び立つ。
ここはパルス国王都エクバターナ
パルス国の王太子アルスラーンと教育係のヴァフリーズは剣の稽古をしていた。
ヴァフリーズアルスラーンに剣の向かい先を教えながら、上段、中段、下段と剣撃を放つ。
アルスラーンは剣撃を捌ききれず、剣を落としてしまう。
アルスラーンは技を使ってずるいと言う。
ヴァフリーズはただの剣の基本動作ですと返す。
基本を鍛えなければ技も威力が下がるため、基本を磨くように進言する。
アルスラーンヴァフリーズになぜアンドラゴラスの遠征に同行しなかったか尋ねる。
ヴァフリーズは王都エクバターナを守ることが任務で西のルシタニアだけでなく、東方の国々も狙っているため油断がならないと言う。
剣の稽古を終え、廊下を歩いているとタハミーネと出会う。
アルスラーンは剣の稽古の出来事について話すが、タハミーネはあまり興味がなさそうに去ってしまう。
アルスラーンは憂鬱な顔をしながら立派な王とはなんだろうなと呟く。
アルスラーンは廊下を抜け、噴水のある場所を歩く。
空を見上げると2羽の鷹が空を飛んでいる。
告命天使(スルーシ)、告死天使(アズライール)と呼ばれる鷹たちがアルスラーンの元へ集まってくる。
アルスラーンが鷹たちに挨拶をしていると、キシュワードが現れる。
キシュワードは片膝をつき、友好国マルヤムに侵入したルシタニア軍をパルス軍が撃退したことを報告する。
王都ではアンドラゴラスとその軍が帰還し、戦勝パレードが行われていた。
手首をロープで巻かれ連行されているルシタニア兵の捕虜には子供の姿もあった。
ルシタニアでは神のために戦うイアルダボート教が信仰されている。
カーラーンクバードの万騎長(マルズバーン)たちがアンドラゴラスの後に続く。
民衆たちは万騎長たちの評論をし、アンドラゴラス王は負け戦知らずと話す。
アルスラーンヴァフリーズは騎乗しながら凱旋中のアンドラゴラスの前に現れる。
アルスラーンは心配していた旨を伝えるが、一言敗けるはずもないと言いアルスラーンの元を去る。
アルスラーンアンドラゴラスの背中を見送りながら顔を曇らせる。
木で組んだ簡易牢にルシタニア人の子供の奴隷(ゴラーム)が入り、あぐらを組んでいる。
パルス国の子供たちが、パルス人に逆らえないようにルシタニア人の子供に危害を加えようとしていた。
ルシタニア人の子供は踵から仕込み刃を出し、脱出をする。
パルス国の子供たちが、アルスラーンが自分たちをかばって人質として捕まったと衛兵に話す。
馬の世話をしていたダリューンは、報告を受けアルスラーンが捕まっていることを知る。
ルシタニア人の子供はアルスラーンの首を抱え、剣を突きつけながら逃亡を続けていた。
途中、キリンが首を伸ばし、ルシタニア人の子供が足場から落ちそうになるもアルスラーンが手をつかみ助ける。
ルシタニア人の子供はお礼を言いかけたが、アルスラーンの頭をたたき、耳を引っ張りついてくるように指示する。
そして周りを見渡し豊かな国だと言う。街中に奴隷が多いことをアルスラーンに尋ねる。
アルスラーンは財産が多ければ、奴隷も多く所有できる。奴隷の多さは国が豊かな証拠だと言う。
ルシタニア人の子供は人の下に人を置く奴隷制度はイアルダボート神は許さない。人は皆平等だと。
神の教えに従わない異教徒は差別して殺していいのだと言う。
アルスラーンはその意見には同意できなかった。
アンドラゴラスタハミーネの元へ訪れていた。
豪華な土産物を持ってこさせるがタハミーネは素っ気なかった。
アンドラゴラスはため息をつき、また来ると言い残しその場を去る。
一方、ルシタニア人の子供は衛兵に取り囲まれ進退窮まっていた。
ルシタニア人の子供はアルスラーンをつかんだまま水堀に飛び込む。
そして馬を盗み街の外へ向かって馬を駆ける。
ダリューンが弓を構え、ルシタニア人の子供を狙う。
アルスラーンは射るのを止めるように声を掛ける。
ダリューンはどうして討つのを止めたのか聞くと、特に理由はなかったらしく肩を落とす。
パルス国の子供たちがアルスラーンを危険に晒したことで衛兵に詰められている。
アルスラーンは放してやれと衛兵に指示する。
パルス国の子供たちは泣きながら大人になったら、騎兵隊に入って殿下を守ると誓う。
アルスラーンはルシタニア人の子供の話は、王宮で教えられたものと違って面白いと感じていた。
ルシタニア人の奴隷たちの収容所に再び訪れるアルスラーン
そこでは殺されたルシタニア人の奴隷たちが荷車に積まれていた。
アルスラーンは管理人に聞くと、暴れてどうにもならないので殺したとのこと。
素直に奴隷になれば死ななくてすんだのに理解できないとダリューンに言う。
ダリューンアルスラーンが王位についたら、登用してほしい友人がいると言う。
アルスラーンアンドラゴラスがいる限り、自分が王位につくことはなく友人とは当分会えそうにないだろうと言う。
3年後アルスラーンは初陣を迎えることとなる。

感想
中世の世界観で重厚長大な戦記です。主人公のアルスラーンは少し頼りなく見られているものの、周囲に対して優しく臣下から慕われているのが良いです。また絵が読みやすく複雑な世界情勢が分かりやすく説明されています。奴隷制度や宗教問題など社会的なテーマも盛り込んでおり、じっくり読みたい作品です。三国志などの戦物語が好きな方におすすめできます。ぜひ読んでみてください。